薄紅に恋焦がれ

咲かせて魅せましょう今夜

舞台「FORTUNE」感想の供養~森田剛さんの演技が見たい

1月中旬から2月下旬、コロナで最後まで駆け抜けられなかったけど…とんでもなく最高に物凄い舞台「FORTUNE」。しかし何故、感想を今更供養しようと思ったのかといいますと、
ESを書く際に「あなたが今まで見て最も印象に残ってるエンタメは?」って設問に対して言語化できず、
ヒントを探っていたメモの中で見つけたから。

舞台転換や大道具セットの意味合い、かなり考察までして書いてあったから、
今更だけどあげることにしました。


前半:
舞台の前後が仕切られてる、前半はその仕切り?が全部板でスライド式
契約後は赤カーテン、バーで後ろに空間がある時もアレは赤で仕切られてた
後ろ側にも空間が作られてて、もりたさんとかメインキャストが動くのは基本的に前
ルーシーは前後の空間どちらにも居る
後ろの空間では主に場転というか、一時的な空間の移動で使われている

後半:
後半はマジで破滅、あまりに救いが無さすぎた
フォーチュンが父と会う時に前後の仕切りもホリゾントも全部あがって、1番後ろの衛兵の交代するとこ(なんか公園?広場?ごめん忘れた)になる。絵じゃなくて全部作りこんであった。
マギーが去ったあとくらい、踊り狂うところとかはまだ確か赤カーテンなんだけど、フォーチュンが色々気づいてお父さんに会いたい、と思い出すあたりからカーテンじゃなくて仕切りが板になる。
フォーチュンが、もりたさんが、板の上で狂ったように踊って回るところ、前半の激しいキスシーンよりもゾクッとした
前後の仕切りも全部ハケてからは、空間の区切りがハコになる。Rylに出てきそうな感じ。D.D.でメンバーが入ってたやつの草無しみたいな。
あのあたりからフォーチュンの妄言が、幻覚?が、どんどん激しくなっていく。

吊り物が全部あがるまでずっとそうだけど前後の仕切りと広場(?)の場転はやすぎん?どうなっとんのウラ。いくら一部だけやからって大道具さん走り回ってない?

前後の仕切りで、前は勿論現実、後ろのディスコのハコはやはり地獄であるから(共演者の方がパンフで言ってた)、仕切られた後ろそのものが 地獄であったり、現実から離れたものであったりしたのか?

だから父親と会うのは仕切りが無くなった世界
→後半にフォーチュンが現実との境目を見失ったことの示唆。アメリカでの脚本に沿ったような行動をしてしまった(警察官を撃ち殺した)?

ストーリーについてのメモ:
マジで後半ノンストップ。いや全部ノンストップではあるんだけど、もう一気に堕ちてく。多分踏みとどまれるところとかあったのかもしれないし、フォーチュン自身はもしかしたら踏みとどまりたかったのかもしれない。だけど彼は完全に破滅する道に堕ちた。それが代償なんだろうな。
結局のところフォーチュンは只「愛されたかった」だけだったんだろうなあ。だからこそマギーが去っていったあとに無理やり呼び寄せることとかは出来なかった。
でも忙しかったとしてもお母さんには大切にされてたみたいやし、どうしてフォーチュンはそこまで喪失感に溢れ続けたんやろ。シングルマザーで育てられたんやろし、兄弟がおる描写とかも無かったから、ずっと寂しかったんやろか。

フォーチュンは破滅する、って言うのはもう見る前から知ってたけど(書いてあるし)、“破滅”の意味合いがあまりに想像と違いすぎた。初めにイメージしていたのは、悪事の限りを尽くして、嘲り笑いながら悪魔に取り込まれて消える、みたいな。
違った。マジでその真逆。あまりにも救いが無さすぎる。フォーチュンは勿論、マギーも、お母さんも、お父さんも、フォーチュンに関わってしまった人全員が──ルーシーでさえも。
契約の代償として「周りの人もまきこむ」「巻き込まれた人に恨まれ続けながら」みたいなセリフがあったと思うんだけど(うろ覚えすぎる)、そういうことなんだなって最後に理解した。フォーチュンが契約した時は(一緒に魂吸い取られるん気の毒すぎん?それは恨まれるやろ)くらいの感覚やったんやけど、こういうこと。マギーは本気でフォーチュンを愛してしまったこと、それが悪魔の力であったとしても、夫が死んで少しでも(良かった)と思ってしまったことを死ぬまで後悔し続けるだろうし、お母さんは一人残されて息子は先立つし、お父さんもなんだかんだ言って息子の魂を助けられないし。そして、ルーシーもフォーチュンと契約したことを後悔していた、と思う。じゃなかったら最後に「プーちゃん、あんた結構いい人だと思うの」ってセリフが出てくるわけないじゃん。んで初めのあっけらかんとした(?)様子が失われるわけないじゃん。最後だからこそ狩ってやる!みたいな感じになりそうじゃん。


「ごめんね、母さん」っていう、あのちょっと上擦ったような力の無い、あの声がこびりついて離れない。